第21話】 【 ジャーナリストととしての姿勢 】

日本が叩き潰される日  米ソが仕掛けた罠 落合信彦 光文社
昭和58年10月20日  初版発行

この本の中に落合信彦の「ジャーナリストととしての姿勢」という文章が載っていて興味深い。(p241)あとがきの部分だ。

落合信彦LIbrARY―著者紹介の下段に全文紹介されている。この中で、

私は学者でもなければ評論家でもない。無責任な解説をかいているつもりは毛頭ない。

んーっ、なるほど、やはりジャーナリストとは、こうあるべきなんだろう。

「日本が叩き潰される日」の書き出しは、こうだ。

(P3)
プロローグ1− 正確な情報こそ、最大の武器
1969年11月だったとおぼえている。ナイジェリアの石油省次官から私に名ざしで呼び出しがかかった。当時私はアメリカで石油会社を経営していた。石油会社と言ってもごく小規模なもので社員は120人程度、アップストリーム(試掘、採掘)専門だったため社員の大部分はエンジニアだった。

当時私はアメリカで石油会社を経営していた。とあるが、

1968年1月、ジョニーは合衆国陸軍に入隊した。大学時代からROT(予備将校訓練)プログラムを4年間受けていたので、入隊時からランクは中尉だった。ROTプログラムの恩典は兵役を2年で終えることができることにある。ケガさえしなければ、2年後には再びオイル業界に戻れる。その間は社長の椅子は空席としておくことにした。 アメリカよ!あめりかよ!(p189)

ROTと書いてあるが、これは落合信彦の勘違いか、脱字であろう。正式には、

ROTC(予備将校訓練コース) Reserve Officer Training Course。
大学で軍事訓練を行うことで、学費免除及び卒業後の士官(少尉)として採用するシステム。
となっている。

入隊時のランクが中尉というのは、ありえないはずなんだが・・
詳しくは、RPI Reserve Officer Training Course

ジョニーとは、落合フリークの間では知らぬ者はいない、落合信彦の大学時代の友人で、オイルビジネスの世界に、ノビーを誘ったジョニー・ストラスマーのことである。 このとき、社長がジョニーで、副社長はノビーであった。

ジョニーが、軍隊に行っている2年間は空席にしておく事にしていた、社長の椅子であったが、

1968年10月初め、ストラスマー氏に国防総省から一通の手紙がきた。ジョニーがダクトの攻防戦で死亡したとの知らせだった。(中略)ストラスマー氏は、私にジョニーの跡をついで社長になるように勧めた。しかし、私は断った。もともと会社はジョニーのアイディアで始めたものであり、私はただ乗りしたようのものだ。ジョニーのかわりに社長の椅子にすわる権利がある者がいるとすれば、それはストラスマー氏だけである。結局、彼が社長と会長を兼ねることになった
アメリカよ!あめりかよ!(p197〜p198)

ストラスマー氏とは、ジョニーの父親、ジェイコブ・ストラスマー。イースト・コースト最大のスーパーのチェーン店を持つ大富豪。アメリカン・ドリームを実現させた立志伝中の人物で、ジョニーとノビーの後ろ盾でもあった。ジョニーの死によって、ストラスマー氏が社長と会長を兼任している。この時点では。

では、落合信彦は、いったい、いつ社長に就任したのだろうか。

ストラスマー夫人は、悲しみのあまり寝込んでしまい、その数ヵ月後に世を去った。アメリカよ!あめりかよ!(p197)

ジョニーの母、ストラスマー夫人が亡くなったのは、1969年の春から夏にかけての頃であろうか。この頃、落合信彦が、どんな行動をとっていたかは、落合信彦のメジャーデビュー作である「ニクソン世代とマクガバン世代」(文藝春秋 72年11月号)の中に詳しい。

サンフランシスコのヒッピーのコミューンにいた。

正直いって、私は69年、あのヘイト・アッシュバリーのコミューンでスティーブやジャックと過ごしたとき苦悩と幻滅から生まれ出たヒッピー文化が現在のアメリカに、これ程のインパクトを与えるとは夢にも思わなかった。
(「ニクソン世代」 p288) 捏造ジャーナリスト落合信彦 (p171)

ベトナム戦争の長期化、厭戦ムードの中、「Love and Peace」を合言葉として、ヒッピームーヴメントがおき、アメリカでは最盛期を向かえていた頃である。

なぜ、落合がヒッピー文化に興味を示したのか?

それは、唯一無二の親友が戦死し、彼の母をも後を追うように亡くなり、打ちのめされていたのかもしれない。

そんなこととは知らなかった私は、初めての晩皆が服を脱ぎ始め時、そろそろ音に聞こえたヒッピーの乱交が始まるのかと期待に胸弾ませた。
(「ニクソン世代」p282)捏造ジャーナリスト落合信彦 (p172)

とはいえ、ヒッピーの乱交が始まるのかと期待に胸弾ませた。とは、あまりにもノー天気過ぎはしないだろうか。

いや、悲しみのあまり、とっぴな行動を取る人間もいるという。ましてや落合信彦は、執筆しながら原稿用紙にボタボタと涙をこぼすという。特別、奇異な行動とは言えないのかもしれない。

となると、サンフランシスコでのヒッピー文化を体験し、何もかも吹っ切れて、ストラスマー氏を押しのけ社長に就任した。ということなのだろうか。このへんの詳しい経緯はわからない。

プロローグ1の締めくくりはこうなっている。

その後すぐにわれわれは鉱区の地質調査とサイズミック・スタディに入り、八ヵ月後には最初のボーリングに成功した。予想されたとおりジャイアント・サイズであった。
その鉱区はBPに八千五百万ドル(当時の邦貨で二百五十五億円)で売り渡した。必要経費を五百万ドルと見ても純益が八千万ドル。正確な情報は最大の武器という真実をこれほど身にしみて感じさせられたことはなかった。
日本が叩き潰される日(p9)

ここでいうジャイアントサイズというのは、日産十万バーレル以上の油田のことをいう。1バレル=約160リットル(油の場合)。ちなみにドラム缶一本分で約200リットル。、最初のボーリングで、一日にドラム缶80万本以上の油が出たと読めるのだが。

ここで、専門的なことだが「油田」と「油井」の違いについて説明しよう。私が今回参考にした石油関係の文献には、各油田の説明資料の大半に「WHELLS TOTAL」「NO WHELLS」という項目がある。 これは「油井の数」で、地下に通ったパイプラインの本数を示している。つまり、油田といわれるものは、この油井という石油の出る井戸や各施設の集積体なのだ。 「日産何万バーレル」の油田なら数多くの油井から成り立っているはずだ。
捏造ジャーナリスト落合信彦・増補新版(p146)

と油井と油田の違いが解説されている。奥菜氏も、このあと書いてあるのだが、素人に専門的なことは必要はない。ということで、あえて書かなかった可能性もある。

それにしては、サイズミック・スタディなどと業界用語も使ってるんだが。
サイズミック・スタディの意味は・・(調査)

その鉱区をサイズミック・スタディ(調査)にかけ、試掘して出てきたデータをコンピューターに入れ、大体の埋蔵量と1日の生産量をはじき出す。
集英社文庫「男たちのバラード」ハスラーたちの墓場(p74)

八ヵ月後には最初のボーリングに成功した。とあるが、これは、1970年の7月か8月ということなのだろうか?

となると、採掘途中に現場(ナイジェリア)から離れてヒッピーコミューン(サンフランシスコ)で乱交パーティに参加してた。ってこと?
まさか、ジョニーの母親の葬式の後、なんてことはないよな。

たまたま取った、お休みの日の出来事?だとしたら、まさに、至福の時をすごしたわけだ。

しかし、それ以上に問題なのは、ナイジェリアにはジャイアンツというような油田が、ほとんどないのだ。
捏造ジャーナリスト落合信彦
第三章 落合信彦 オイルマン伝説の虚構
ナイジェリアでのジャイアンツ掘り当て成功にまつわるエピソード検証の中で、詳細に詳細に検証されている。

これを、読む限りでは、存在しない油田を売りつけた男なのか、落合は。

しかし、これは奥菜氏が、勘違いしているのかもしれない。

”情報”には英語で”インフォメーション”と”インテリジェンス”の二とおりある。 インフォメーションとは、極端に言えばニューヨークタイムズに載っているたぐいのもので 秘密性はほとんどない。データと同意語のようなものだ。
これに対してインテリジェンスは、極秘性が不可欠な情報を言う。 アメリカのCIA、イギリスのMI6、キューバのDGIなどの”I”はインテリジェンスの”I”であり、インフォメーションの”I”ではない。ここで私が言う”情報”も、もちろんインテリジェンスである。日本が叩き潰される日(p212)


インフォメーションは誰でも金と時間さえ掛ければ簡単に手に入る。だがインテリジェンスはそうはいかない。今の日本が本当に必要としているのはこのインテリジェンスなのである。日本が叩き潰される日(p213)

つまり、落合信彦の油田は、インテリジェンスであって、世界でただ一人、落合信彦のみ知りえる極秘情報。AAAの情報であるということだ。

恐るべし、落合信彦。歴史にも記録にも残らない油田を掘り当てるとは・・・

奥菜氏が調べた、オイル関係の資料は、インフォメーションだよなぁ〜。

しかし、奥菜氏も、そのことには気付いていたようで、

誰にでも読めるオイル関係の本や、オイル辞典、業界の月刊誌、週刊誌を読んだって、オレの当てた油田が確認できないのは、俺が命がけで当てた極秘油田だから当たり前のことだ!捏造ジャーナリスト落合信彦 (p159)

と書いている。やっぱり、そうだったんだ。

また、不思議なことに、ダクトの攻防戦で亡くなった、ジョニー・ストラスマーは戦没者名簿にはない。そればかりか、 イーストコースト最大のスーパーチェーンのオーナー、ジェイコブ・ストラスマーも店の記録も残っていない。

ジョニーの場合、入隊、即、中尉という特別待遇であったことを考えると、何かしらの特別な仕事につくためであって、アメリカ軍の記録に、永遠に残らないような秘密任務についていたのかもしれない。

彼の父、ジェイコブのスーパーとは・・・、秘密の特別会員制の店だったのだろうか?

フランス直送のトリュフとか、中国直送、北京ダックとか、南太平洋直送、黒マグロとか・・。あっ、これはないかアメリカだから。日本製の精巧なダッチワイフとかか・・・

たぶんこれだな、それでストラスマー氏は、大富豪になったんだ。そりゃ、人にいえないやな。

うーん、やはり、落合信彦が、極秘性が不可欠と書いてあるように、われわれ常人には理解できない交友関係があるようだ。

落合信彦は、プロローグ1のタイトルに正確な情報こそ、最大の武器と書いている。正確な情報は、もちろんだが、ジャーナリストとしての姿勢には、正確な記述も必要なのでは。

情報は正確かもしれないが、記述が必ずしも正確とは思えないのだが・・。

最後に、もう一度、「ジャーナリストとしての姿勢」から、

私は学者でもなければ評論家でもない。無責任な解説をかいているつもりは毛頭ない。

うーんーっ、では、いったい何を書いているんだろうか?
無責任な解説ではなく、無責任な・・・?


目次
誰も知らない落合信彦
●落合信彦 ブックス資料室
●奥菜秀次ブックス資料室
●あめりか冒険留学
●禁断のデビュー作
●落合信彦の消えた履歴書
●ぼく、ノビです
●忘却のかなた
●英会話睡眠学習
●封印された過去
●奥菜秀次氏への伝言
●奥菜秀次氏からの返信
●落合信彦・最後の真実
●落合信彦・破局への道
●ポストスクリプト2005
●落合信彦に全てを捧げた男
●捏造−ジャーナリスト落合信彦・増補新版
●あめりか冒険留学ふたたび
●勝ち組クラブ(The Winners'Club)
●落合・奥菜関連グッズ
●隠し通したかった本
●見えない政府
●日本人のメンタリティ
●ジャーナリストとしての姿勢
●人は我をCIAと呼ぶね 前編
●人は我をCIAと呼ぶね 後編
●ノビーは、あるぜんちな丸で海を渡った。前編
●ノビーは、あるぜんちな丸で海を渡った。後編
●国際ジャーナリストの情報分析
●捏造か真実か
●奪われし者たち
●消された勇者たち
●落合信彦と朝鮮
●差別に必要なもの、それは区別
●失うものといえば命ぐらいしかない
●騙し人
●虎を鎖でつなげ
●捏造、即、削除、南京大虐殺生き証人
●捏造する人々
●教科書から消えた戦争
●危ないジャーナリズム
●若き日の落合信彦
●マイ食器という考え方
●村山富市は何を成し、何を成さなかったか?
●安倍知子 国土保安隊
●山内惠子 気楽な稼業ときたもんだ!
●金子安次 腐れ外道の鬼畜帝国軍人
●捏造作家 吉田清治という男
●親日真相究明法と親日人名辞典
●朝鮮を知るための参考リンク集

捏造ジャーナリスト
落合信彦 増補新版

著者:奥菜秀次
出版社:鹿砦社
増補章
ポストスクリプト2005

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