【第29話】 【どじょっこ ふなっこ】

『どじょっこ ふなっこ』 作詞:豊口 清志 作曲:岡本 敏明

春になれば しがこもとけて
どじょっこだの ふなっこだの
夜が明けたと 思うべな

夏になれば わらし(童子)こ泳ぎ
どじょっこだの ふなっこだの
鬼っこ来たなと 思うべな

秋になれば 木の葉こ落ちて
どじょっこだの ふなっこだの
船っこ来たなと 思うべな

冬になれば しがこもはって
どじょっこだの ふなっこだの
てんじょ(天井)こはったと 思うべな

「どじょっこ ふなっこ」の作詞者が「不詳」「東北民謡」「東北地方方言」となっていたりしますが、秋田市立金足西小学校「どじょっこ ふなっこ」 誕生のひみつ からも分かる通り、この歌が秋田の歌であるというのは、間違いのないところ。

詳しいことは 宮地楽器 シリーズ日本のうた 「どじょっこ ふなっこ」にあります。ただし、「すが(氷)こ」となってますが、ここは現地語としては「しがこ」でしょうね。

秋田県人いや東北人にとって、「す」と「し」、「つ」と「ち」というのは発音しにくい言葉です。

青森県北津軽郡金木町出身の作家「太宰治」。本名「津島修治」では言いにくいため、「つ」「し」の入らない「だざいおさむ」にしたという話があります。

また、かなり昔ですが、ズーズー弁を揶揄して「天井のスス、食べるスス」というのがありましたが、いくらなんでも、「おい、ちょっとスス屋にいくか」とは言いません。しゃべりにくいことは否定できませんが。

「どじょっこ、ふなっこ」の詩が、秋田県湯沢市に関連があるというのを聞いたことがりますが、作詞者の豊口清志と関係があるのかもしれませんが、なにせ記憶が薄れ掛けてきている、きょう、この頃。自信はありませんが。

「しが」は県南では「つらら」のことというのが一般的です。ただし、四番の歌詞の中で「しがこもはって」とあるので、張るのは平らな氷ですから、「つらら」じゃありません。念のため。県北では「つらら」は「たろんぺ」というらしいですが、聞いたことありませんね。

「どじょっこ ふなっこ」の詩の中に「こ」という言葉が散りばめられていますが、いくらなんでも、こんなには使わんだろうと思われるかもしれませんが・・・


これが使うんです。

なんにでも「こ」を付けるといっても過言ではありません。

道浦俊彦の平成ことば事情 ◆ことばの話1726「ワンコ」

の中で、古語としての接尾語、もしくは広辞苑の《接尾》の中の、「特に意味を持たず種々の語につく。東北地方の方言などに多い。「牛(べこ)この子っこ」「ちゃわんこ」「ぜにこ」

とありますから、かなり古い時代から使われていたことになります。

東北弁の中には、平安時代のことばも多く残っているということなので、そんなことも影響しているのかもしれません。広辞苑の、「牛(べこ)この子っこ」は「べこのこっこ」でしょう。「べここのこっこ」は聞きませんね。「茶碗こ」は、普通に使われているし、「ぜにこ(銭こ)」は、「じぇんこ」ですね。

この道浦俊彦氏のアメリカの先輩の「ちんこ」の「こ」も同じではないのか?ということは、反語の・・・・・・もかな?
まあ、直接表現はやめときましょう。ゲヒンですから。(なにをいまさら)

この「こ」という接尾語、名詞にばかり付くわけではありません。名前、姓名のなまえの方ですが。これに「こ」がつきます。 たとえば、「ヒロシ」であれば、「ヒロシこ」、というように。

ただし、この呼び方が県南部一帯というわけではなさそうです。ごく一部、ぼくの生まれ育ったあたりだけなのかもしれませんが。それも、四十代以上の男子に対してです。女子の場合は、「ちゃん」となります。

この「こ」を名前につける場合、ある一定の法則があります。なぜ40代以上というかというと、この年代の名前には「トシオ」「フミオ」「カツミ」というように、3文字の名前が多い。この3文字の名前だと「としおっこ」「ふみおっこ」「かつみっこ」というように、「こ」をつけても違和感を感じない。

では4文字では、どうなのか。この場合は、「こ」を付けて納まりがいいか、どうかが決め手となる。「晃一」「しょういち」だとすると「しょいちこ」であり、「あきかず」の場合は、「あきかずちゃん」といったところか。

前例で述べたように、「しょういち」の場合は、「しょいち」と縮めて、「こ」を付けて呼びやすいかどうかが決めてとなる。まあ、いい加減といえばいい加減ではあるのだが。

ぼくが親しくしている、E美、K美という若い美人の姉妹がいます。E美とK美はひとつ違いの年子。写真を公開したいところですが肖像権の問題から載せることができないのが残念。それぐらいの美人姉妹。目が大きく、肌の色は白く、テレビの安っぽい女性タレントなぞ、はだしで逃げ出すというほどの、まさに秋田美人。

ちなみに、ぼくは、妹のK美からは「KOKIちゃん」と呼ばれてます。いかに親しく付き合っているのかが分かっていただけるでしょう。

一方、姉のE美からは、「KOKIこ」。

やめてくれ! その呼び名だけは勘弁してくれ!

3歳の子が、いい年のオッサンを捕まえて「KOKIこ」はないだろう。
正直、恥ずかしい。公衆の面前で全裸でたってるような羞恥心を感じる。

E美、その、お人形さんのような大きなつぶらな瞳をキラキラさせて、「KOKIこ」と呼ぶのは勘弁してください。お願いします。堪忍です。

それもこれも、あんたたちの「バアチャン」が悪い。
確かに、あなたがお嫁に来た若かりし頃から付き合いだから、「KOKIこ」と呼ぶのは、いかしかたないのかもしれないが、 呼ばれる身にもなってください。
もう、いいかげん「こ」付けはやめましょうよ。

とは言っても、「清太郎こ」と呼ばれる70代半ばの人もいるから、こりゃぁ無理かなぁ。

彼女達に会うたびに、「あんた達のジイちゃんは、『けいじこ』と言うんだよ」と教えて、「ジイちゃん」の代わりに「けいじこ」と呼ばせてやろうか?
という誘惑にかられる、きょう、この頃。