【 第26話 】 【 ばばへら 】

ばばへらとは、道端で売っている、コーンカップアイスのこと。秋田名物のひとつ。

「ババヘラと呼ばれるようになったのは、1980年頃らしい。当時の高校生がそういうふうに呼び始めたという説と、秋田県内を案内していた観光バスのバスガイドが、乗客の質問にとっさに答えたのが始まりという説もある。」
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たしか1980年代には、当時女子高生の間では、「アバヘラ」と呼ばれていたような気がする。 それから何年後かに、ローカルのラジオ放送で、「ババヘラ」と呼んでいたんで、「歳をとるとアバもババになったか」と思ったものだった。

「アバ」とは、「かあさん」とか「おかあさん」という母親を呼ぶときの呼び名。 現在40代半ば以降の世代では、普通に使われていた。津軽、庄内、でも使われているようだ。

所変われば品変わるではないが、この「あば」、沖縄の宮古島では、多様なバリエーションがある。また、宮崎の方言で"新しい"ということを"アバ"と言います。とある。四日市では、あばよの短縮形。と、色々あるもんだね。

「アバ」に対して「とうさん」のことを「オド」と記述しているところがあるが、正式には「ツァ」が正しい。 「アバ」と「ツァ」は、もともとアイヌ語からきている。

「アバ」という呼び方が統一されていたのに対し、親父を表す「ツァ」は、「オド」とか「ト」とかいう呼び名と が混在して使われていた。この呼び名も、70代以降の男性を呼ぶときの言葉となってしまった。死語となってしまうのも 時間の問題か。

もちろん、「かあさん」「とうさん」もしくは、「おかあさん」「おとうさん」と呼んでいた家庭もあったわけで、 たいがいは、いいとこのお嬢ちゃん、お坊ちゃんちだった。さすがに、この年代で、「パパ」「ママ」は、いなかった。

「子連れ狼」の大五郎が、拝一刀を「ちゃん」と呼んでいるが、原作者の小池一夫が秋田県大曲市(現大仙市)出身という ことなので、「ツァ」が転化して「ちゃん」になったのではと、ズーッと思っているのだが・・。確証はない。

拝一刀という名前が、狼一頭から名づけたというから、アリかな。なんてね。

「ばばへら」の呼び名の始まりとして、バスガイドが乗客の質問にとっさに答えたというが「ババ」とは失礼な言い方ではないのか。「ババヘラ」を漢字にすると「婆へら」。これは、いくらなんでもねぇ。バスガイドの、人間性が・・。

と思っていたら、進藤冷菓のオフィシャルページによると、会社のある南秋田郡若美町(現男鹿市)あたりでは、「ババ」というらしい。知らなかったなぁ。

ただし、県南では「ばあちゃん」のことは「バッパ(bappa)」、「じいちゃん」のことは「ジサ」。この呼び名も 死語に近いものとなっている。

ババヘラは、道路端で売っているだけではない。小中学校の運動会は、いうに及ばず、体育会系の大会、消防操法大会、市町村の運動会等々、よくぞ、これだけ、調べてあるもんだ。と感心するほど、あちこちのイベントに出没する。

売り子達は大型のバンで送迎される。売れるであろうポイント、ポイントで降ろされ、雨が降ろうと風が吹こうと、雪が降ろうと迎えの車が巡回してくるまで、一箇所で売り続けることとなる。

大きなパラソル、頭には日よけの帽子、そして、なくてはならない携帯ラジオ。これが、ババヘラの売り子の3種の 神器か。

天気が良くて、商売繁盛の日であればいいだろうが、雨が降ったり、寒かったりして、全く売れないとなれば、携帯ラジオでもなければ、とても間が持たないのだろう。いまであれば、携帯電話で連絡も取れようが、体調が悪かったりしたら大変だったろうね。

ババヘラも増殖して、ギャルヘラ、アネヘラというのも出てきているらしいが、確かに、ポツポツと見られるようになってきている。沖縄では、アイス売りは若い子と決まっているようだが、秋田は、ギャルからババまでと年代層が広い。それも、みな秋田美人、てか。

売り子である彼女達の稼ぎは、歩合制ではなく、全員給料制。これは、降ろされる場所によって、売上高が大きく変化するためだという。確かに、これは、理にかなったやり方。

ババヘラアイスが、全国的に有名になったのは、FM放送でラジオパーソナリティ、小川もこが、公開放送で、秋田に来るたびに宣伝?したのが、大きかったのではないのだろうか。 ネーミングの面白さも、あったとは思うけど。やたらと気に入ってたからね。

味はイチゴとバナナとあるが、ピンクと黄色と色が違うだけで味は同じだなぁ〜。

「ババヘラアイス」: 進藤冷菓により2001年に登録商標(第4567995号)として申請・登録済み