【第25話】 【 現代秋田弁考 】

いま秋田において、最もきれいな言葉を話す年代は、幼稚園児、保育園児、そして小学校の低学年であろう。

2月15日、秋田県中仙町(現大仙市)の小学1年生5人が下校途中、雪に埋まった88歳の老人男性を助けた。老人は、自宅1階の屋根の雪下ろし中、あやまって3メートル下に転落。雪に埋まってしまい、助けを求めるかすかな声を小学生5人が聞いて、近所の人に知らせ無事救助されたという。家族は気付いておらず、落下から発見まで10分ほど経っていた。というニュースがあった。

これを「とくダネ!」でやったとき、5人の小学生が、その時の様子を説明をしているのを聞いて、司会の小倉智昭が「今の秋田の子は、きれいな標準語を使うね。」と事件そのものよりも、話す言葉に感心していた。

アナウンサーが(元か?)驚くほど、きれいな標準語を使う。

昔であれば、「バッパめんこ」=「ばあちゃん子」で、近所のお茶飲みに、バアチャンが孫を連れて出かけていたので3、4歳の子が、純粋秋田弁、それも年寄り言葉を使うのが当たり前であった。小倉智昭には、そのイメージが残っていたのであろう。

小倉智昭、秋田市生まれ。東京12チャンネル(現・テレビ東京)で競馬などスポーツ放送を担当。

今では、そうそう、お目に?お耳?にかかれないが、ごくまれに、純粋秋田弁年寄り言葉を使う、小さな子供に会うとギョッとしてしまうことがある。それほど、小さな子と方言とがミスマッチとなってしまった。

インターネット上で、「方言」のページが、結構な数に上っているが、こういう資料という形で残さないと、いずれ、方言そのものが駆逐される時がくるのかもしれない。

とは言っても、方言を「書き言葉」として使うのには、反対なんですがね。方言とは、本来「話し言葉」であり「書き言葉」とは一線を画する。それが証拠に、2、3歳になれば文字は読めなくても話すことはできるし、文字を持たない文化すらありますから。

それと「方言」では微妙な言い回しやアクセントなど「書き言葉」では、表現しづらい部分が多い。

今は沈静化しているが、市町村合併で各自治体が揺れているときに、掲示板に方言で書き込みをするバカを多くみかけた。こんな書き込みは、たとえ、どんなに良い意見であっても相手にされるはずがない。

地元に住んでいる人間ですら、理解するまでに時間が掛かるのだから、他は推して知るべしだろう。 方言を使うときには、文章のアクセント程度ということを、肝に銘じなければならないのだろうな。

と書きながらも、方言の話を
中学生の頃の教科書でだったか、秋田の湯沢言葉として「どさ」「ゆさ」「ほう」というのがあった。 秋田は寒いから、言葉を短く簡潔に話をするようになったのだろうか。というような、冗談交じりの旅のエッセイだったか。

確かに、この「どさ」「ゆさ」「ほう」という言葉は、ある年代以降であれば、今も充分に通じる。

「どさ」「どこへ」、「ゆさ」「湯へ(風呂へ)」、「ほう」「ホウ」(感嘆詞)もしくは、「そう」という(同意語)となる。

もちろん、寒いから言葉が短くなったというのではない。ただし、「どさ」などと、年上や上司に対して言える言葉ではありません。これは、タメグチ。

この秋田弁のタメグチ、ローカル放送においては、多発されている。

なんで、こんなにもゲヒンな秋田弁が横行するようになったのだろうか? 地域限定タレントの育ちの悪さが、そうさせているのか?それとも言葉の遣い方を知らないのか?製作者が意識して使わせているのか?

いま、コンビニのサークルKサンクスでキャンペーンをしている 秋田限定弁当のキャッチコピーが、 「うめど」というやつ。この「うめど」を標準語にすると「うめぇぞ」か。

この「うめど」も、タメグチ。「なんで、おめえに”うめど”なんて半分脅されて、誰が買うかい。」という気持ちになる。

使う側は、信密度を増したいという意味で使っているのだろうが、英語のように、一人称、二人称とも一種類しかない というような言語じゃあるまいし、もっとボキャブラリーを増やさんとね。

方言とは、はずれるが、秋田魁新報のラジオCM。
「東京に住む叔父は、酔うと必ず県民歌を歌う「秀麗無比なる鳥海山よ・・・」。

秋田魁新報、県内における新聞購読シェア率は、
北海道新聞と並んで70%で全国第4位。3位は74%の愛知県の中日新聞。 2位は83%で徳島新聞。ダントツの1位は、琉球新報の97%となっている。 全国新聞シェア一覧

これだけのシェア率を誇ると、朝日、読売の熾烈な新聞戦争などとは、秋田においては隣の家の夫婦喧嘩ぐらいの 意味しかもたない。魁新聞の勧誘というのも、聞くことがない。ということは、読、朝、毎の新聞購読の勧誘で出る、洗剤、ビール券、タオル等々の景品が貰えるということはない。景品で釣る必要がないからだ。

秋田県内においては、それほどまでに人気の高い新聞である。世界情勢が、どうたらこうたらよりは、地域の情報が優先しますからね。このラジオCMに出てくる、「秋田県民歌」というやつ。昭和5年制定とある。が、知らんぞ。全く分からんぞ。歌詞を読んでも、メロディーすら浮かんでこない。

酔って秋田民謡を歌う。というのは聞いたことはあるが、県民歌とは・・・。 この県民歌を歌う、叔父さんとやら、いったい何歳なんだ?いつどこで覚えたんだ? 知らないのは、私だけ?(だいた ひかる風に

それとも、秋田魁新報の社員になると、県民歌を歌わされるのだろうか・・・?

話を戻して、綺麗な秋田弁について。横手の「かまくらまつり」のテレビ中継とき、 尾形雅子さんという「むかしかたり」をしている方が、かまくらの中で子供たちに話をしているのを聞いた。 なんと穏やかで、上品で綺麗な秋田弁を使うんだろうか。と感心してしまった。京都弁だと「はんなり」と でもいうのか。

もと横手市の保育園の保母さんだったということだが、尾形さんという方には、一面識もありません。

少なくとも、テレビやラジオに出る人間は、見習ってもらいたと思ったね。まあまあ、育ちが育ちだけに、高望みというものか。

青森であれば「津軽」「下北」「南部」・・・・・。
山形では「玉置」「村山」「庄内」「最上」・・・・。
岩手だと、「盛岡」「遠野」・・・、宮城では、「仙台」・・・・
福島だと「浜通り」「会津」「相馬」・・

この地域の後に「ことば」とか「弁」とかを付けると、その地方独特の方言となるが、秋田だけは「秋田弁」と 全県をひとくくりにして言う。県内を回って見ると地域によって、アクセントも違えば、使う言葉も違う。

へぇ、そんな言葉があるんだと、びっくりすることも珍しいことではない。 それなのに、「秋田弁」と、ひとくくりにされても特別の抵抗感も持っていないようだが、これはナゼなんだべ?