【第18話】 【 ギバサと、まつも 】

ギバサというのは秋田での呼び名で、褐藻類(ヒバマタ目ホンダワラ科)の海藻。正式名称は「あかもく」

地方によって呼び方が違い、山形では「ギンバソウ」新潟では 「ナガモ」などという。らしい。

らしい、というのは、これを書くにあたりネットで調べてみたら、そう書いてあった。初めて知ったわ。        (無責任な・・

それじゃぁ、もう少し詳しく。
山形における「ギンバソウ」は漢字で書くと「銀葉草」。他には「神馬草=じんばそう」「じばさ」などという呼び名があるらしい。

が、果たして食しているのかとなると・・・

いつだったかローカルのテレビ番組で 「ぎばさ」は秋田限定みたいなことを言ってたんで、 「えっ」と思ったことがある。ワカメやコンブ、モズクのように、ごくごく一般的に食べられてると思っていただけに、奇異な感じがした。

この「ギバサ」つい最近まで、首都圏では簡単には手に入らないものだったらしい。 「ぎばさが食いたい」という地元出身者の悲痛な叫び?を聞いたことがある。

今は、手に入らないというものではないらしい。 ただし、生わかめの隣に、冬になると当然のごとく並んでいるものではないそうだが。

値段は決して高くはない。今の時期なら、100グラム100円ちょい、1パック200円から300円ぐらいか。

料理法については、 All About Japan、料理のABCにあるが、熱湯をかけるより鍋に湯を沸かし、その中に入れる という方法をとっている。

「ぎばさ」の生のものは、赤茶色というか茶色っぽい黒の海藻なのだが、
(考えて見れば、海藻類の多くが、そんな色しているわな)
お湯の中に入れると、ギバサは鮮やかな緑色になる。

そのとき、色素が落ちるのだろうが、 お湯は黒くなる。熱湯をかけるより 、こっちの方が、気分的には、いいでしょう。

あとは、ザルにあけて水気を取る。あとは、叩いて、ポン酢をかけたり、生姜をのせ、醤油で食べる。メンツユあたりでも、うまい。

ザルにあけたとき、「ギバサ」の、ねばりがなくなるものがある。これは、うまくない。 「ぎばさ」に重要なのは、このねばり。ねばりのないギバサは、バサバサしていて、 これは全くもってマズイ。

時期的なものが左右するのであろうが、冬の日本海の物は、味がいいということなのだろう。    

つまり、ほかではバサバサしてうまくないのだろう。このことが、全国的な食べ物とならない所以なのかもしれない。

店頭に並ぶのは、雪が降り始めるころだが、この時期のものは、まだまだアタリ、ハズレが多い。 ツルツルとした食感がないと、刺身のツマとして付く海藻のようで、 ご飯のオカズとしては、ねぇ。

年を越しギバサに「球」が付きはじめるあたりから品質に、ばらつきがなくなり、値段もリーズナブルなものとなってくる。

旬は、冬だとばっかり思っていたら、
「特に5月中旬から6月にかけてのぎばさは、品質が良いのだそうだ。」
というネットで見つけた。春先の「ぎばさ」というのは知らなかった。案外、採れる量が少なく、 一般には出回らないということなのかもしれない。

この「ギバサ」冷凍しても味がほとんど変わらない。湯掻いたものを、叩いて、ラップに包んで冷凍庫に入れておけば、年中食べられるといういうことですね。

同じ海藻類の仲間に、ナガマツモ科の褐藻類で三陸海岸の特産品。 「まつも=松藻」というのがある。 ぼくが子供の頃には、「まつぼ」とよんでいた。これは、漢字にすると「松穂」なんだそうだ。

「マツボ」というのは、ズーッと方言だと思ってましたわ。

これは、うまい。

「焼きまつも」は 焼き海苔の大きさのものが2枚入って1000円ほどする。
1枚500円と高級品だ。これは、全国的に売ってるんでしょ?
よく、知らんけど。

ツルツルとした食感とほんのちょっとの粘り。「まつも」の得も言われない香り。
うーん、食欲をそそる。
今でも、スーパーに行って手には取っても、買うとなると度胸がいるよなぁ。

調理法であるが、吸い物や味噌汁にいれるのがスタンダードなやり方らしいが、 少な目のお湯で、ダシを取り「ミソ」を入れ、軽く沸騰したところに、「まつも」を ちぎって入れる。後は軽く混ぜ合わせる。

水の量を多くしないというのがポイントとなる。
まあ、小味噌煮風ということですか。

あとは、これを白米の上にかけて食べる。

うまいんだよな。これが。

この調理法は、「ぎばさ」にも応用がきく。
サイト上では味噌仕立てというのは、なかったようなので紹介しちゃおうかな。ちょっと「しょっぱい」かなと思ったときには、卵1個を溶き入れる。というのもある。 これは、味が、まろやかになるが、粘りが薄れるという弱点もあるにはありますが。

テレビの食べ物番組を見ていると「からい」というのを耳にすることがあるが、 こいつら(発言者)は、「辛い」と「塩辛い」の区別をどうやってつけてるんだ?

味覚には甘み、塩味、酸味、苦み、うま味の5つがあるのは、よく知られているが、 (辛いは味覚のうちには入ってない。)「からい」=「塩辛い」 でないのは、分かっているが。それにしても・・・

それとも「からい=塩辛い」というのは、これは、特定の地方の、言い回しなんだろうか?

だとしても、この程度のボキャブラリーしかない人間を、食べ物番組に出すというのは、やめてほしいもんだ。

あらあら、脱線しちまったい。
いつだったか、岩手県湯田町のスーパーで、「生まつも」が、握りこぶし大の パックに入って100円で売っていたことがあった。
よく「モズク」や「生かき」などを入れてある、水でパンパンになった、あれね。

まだ暖かい頃だったよなぁ・・・・

今の時期に「まつも」かい。と思いながらも、どうせ、100円、とりあえずは一つだけと、買ってみたら、これが、な、なんと、うまいじゃないの。

もう少し買ってくれば良かったとは思っても後の祭り。
限定商品だったらしく次に行ったときには、売ってませんでした。ざんねん。

その後、別のスーパーで「生まつも」を見つけ買ってきたら、これがハズレ。
香りはあるのだが、粘りがなくツルツルの食感が楽しめない。パサパサした感じ。このときは150円だったかな。

たまには、アタリもあるが、安いのにはワケがあるというのを、再認識しだいです。 (そりゃ、そうだ、150円と500円とで、同じなわけがないんです。)

「ギバサ」は、ハズレの物を掴まされると、 あの店の「ギバサ」はダメだ。ということになる。 仕入れ担当者の、目利きが問われることとなるのだ。

本来ならば生産地の問題?なんだろうが、店が悪いということになるわけだ。これは、あながち間違いともいえない。

「ギバサ」は、生のままのものを1本手に取りつぶしてみると「ねばる」か「ねばらない」かの判断は、ある程度つく。

ただ買う側としては、ラップをかけたパックの上から、 指でつぶして試すというわけにはいかないでしょ。

そんなわけであの店のというようなことになるわけです。 「ぎばさ」についての詳しいことは、 あかもくオンライン を参照していただくとして、

体にいいとか、どうとかには、あまり興味がないのだが、旬のものを旬の時期に、いただく。これが、 ホンマモンのグルメというやつですな。