【第10話】 【 闇なべ風豚しゃぶ 】

夏だからこそ、夏の鍋物。

季節限定の特別料理。

暑い今の時期、汗だくになりながら熱い鍋を囲む。これですよ、これ。一般的な「豚しゃぶ」とは一線を画すため、とりあえずは、コレを書くために便宜上、豚しゃぶ闇なべ風としました。

はじめにお断りしておきますが、お小ちゃま向けの物ではないということ。 今の時代、妙に子供におもねった物がが出回っているが、 これは大人のための大人の鍋です。

こんな美味いもん、誰がガキなんぞに食わしてたまるか。 というぐらいの気概で食して欲しい。

ただし、コレをやるには、いくつかの条件がある。

まずは人数、最低でも5、6人は欲しい。多いほど、いいのは言うまでもない。 場所は開放的な屋外で。時間は日が暮れてから。お日様のあるうちでも構わないのだが、
闇なべ風と名付けている以上夜でしょ。ヤッパ。

火のほうであるが、これは理想を言えば薪ストーブ。
鍋は昔、お米を炊いた釜と行きたいところだが、 現状としては、この二つを揃えるとなるとなかなか難しい。

そこで、火の方はカセットコンロで我慢するとして、鍋は寸胴鍋のようなとにかく深い鍋がいい。 この深い鍋というのが、絶対条件である。

まずは正統派のやり方を説明しよう。ここからは、レシピです。

具材
豚のバラ肉、予算に余裕があれば肩ロースでもいい。

間違ってもアブラが気になるからなどといって、もも肉など使わないように。

脂分の少ない部位はうま味がなく、肉が堅くなる。
豚の脂分を悪の権化のように嫌う人間が多いが勉強不足です。
嘘だと思うなら調べてみましょう。せっかくのインターネットですもん。

肉の分量ですが、焼き肉であれば1人あたり200〜250グラムと言われてますが、 400グラム以上は用意すること。
それぐらいはペロリと胃袋の中に収まります。

肉は、肉屋で調達するべきです。7人だと3kgですか。肉屋には驚かれ、喜ばれます。

当然、国産豚肉限定です。肉の善し悪しが、すべてを決定します。

キャベツ1人あたり3分の1個以上。

この料理が出来上がった初期の頃は、この2つの具材だけだったのだが、 今では、もう1つ、モヤが加わる。

モヤシの分量は1人あたり1袋以上となる。

整理すると

豚バラ肉 400g × 人数分
キャベツ 3分の1個 × 人数分
モヤシ 1袋 × 人数分

次にタレであるが、これは、であるのだが情報公開の進んだ今、あえて公開することにしました。

まず、クルミをすり鉢でする。 そこに練りごまを入れ、 酒、醤油、味噌を加える。 砂糖を入れ味を調えた後、すり下ろした ニンニク、一味唐辛子、胡椒を入れる。 ちょっと甘めぐらいが豚肉にはよく合う

分量の目安として、1人あたり、どんぶりで半分ぐらいであろうか。

水を加えないため、 日持ちがするので多めに作ったとしても、あまり心配することはない。 むしろ、タレが足りなくなった時に、5分や10分で出来るという代物ではないため、 大目に作っておいた方が良いだろう。

実際、タレを作るとなると、オーバーな表現ではなく半日はかかる。

タレを作るときは、練りごまの量に注意。 入れすぎると胡麻が強すぎて他の材料の味を殺してしまうということ。 後で調整するぐらいの感覚の方がいいであろう。

個々の分量に関しては、やっぱ言えないわ。ご先祖様に化けて出られる。いろいろと工夫して作るのも料理の楽しみのひとつのはずですから自分であれこれ、やってみましょう。

食べ方にもルールがあります。 というか、これがないと何のための闇なべ風のしゃぶしゃぶなのかと いうことになります。

たっぷりと水を入れた釜を薪ストーブにかけ、がんがん火をたき、湯を沸かす。 タレを持った全員が、箸を持ち、釜の周りを取り囲む。

沸騰した釜の中に、一掴みの豚肉、キャベツ、モヤシを入れる。
このとき、具材を入れすぎないこと。

まもなく、具材が深い鍋の中で循環するように回り始める。 そうなったときが食べ頃である。

あとは1人ずつ順番に、鍋の前にたち、一回だけ、その鍋の中に箸を入れる。、そして掴んできた物だけを食する。

何も掴めなければ、お手つきとなり、次の順番が来るまで待たなければならない。それを鍋が空っぽになるまで続ける。

なくなったのを確認したら、また一掴み入れて、再開となる。 この時、湯の量が少なければ足すようにする。

大目の湯に少な目の具材。これもポイント。肉やキャベツは、大きめに切った方がいい。キャベツなんかは葉が1枚でもいいぐらいである。

なぜ、米を炊く釜を使うかというと、その形状にある。 底が丸みを帯びているため、湯の対流が綺麗に起きる。本格的にやろうとすると、やっぱり、コレにつきますなぁ。

豚シャブ闇なべ風をやるときのメンバーであるが、箸を上手く使えない人間を多く入れる。 箸は短めの割り箸とか、塗り箸にすべきです。 箸使いのヘタな奴ほど、何回やっても、モヤシ一本、とかキャベツのみとか、何も掴めないとか、場が盛り上がり、酒のつまみにはもってこいです。

やっぱり、ここまで来ると薪ストーブが欲しくなる。熱くていつまでも鍋の側に近寄ってはいれないからだ 。夏真っ盛りに薪ストーブで、鍋を囲む。これが、この、しゃぶしゃぶの醍醐味でしょうね。