【第4話】 【 ざっぱ汁 】

青森の郷土料理として有名な「じゃっぱじる」と「ざっぱ汁」との大きな違いは、 「じゃっぱじる」はタラを使いますが、「ざっぱ汁」では魚の種類は問いません。

魚ををぶつ切りにして、鍋に放り込み、野菜と一緒にコトコトと煮込む鍋料理という点で、 もともとは同じ所から発生したのかも知れません。

「ざっぱ」という言葉は、製材所などで、一本の丸太から柱や板を取った残りの部分(皮の付いた板など)を、 今でも「ざっぱ」と言っています。 主に土留め用の材料や、雪囲いの材料として使われていました。

一方、「ざっぱ汁」における「ざっぱ」というのは「魚のアラ」つまり、 頭や骨や内臓を指します。ただし、「ざっぱ」という語源が、 製材関係から来たものなのか「ざっぱ汁」の方から出たものなのかは分かりません。

「ざっぱ汁」=「じゃっぱ汁」という認識している地域もあるというより、そちらの方が多いような気もします。

山形なんかでも、タラの料理を指すようですが、秋田においては、別の料理として、認識されてます。

もともとは、頭、目玉、カマ、腹側(マグロでいうトロ)そして皮や身を取った残りの骨などに、 大根や他の野菜を入れて作っていましたが、今は、魚丸ごと一匹入れた料理となっています。

また「ざっぱ」にはうま味分が凝縮されていますから、味に深みのある鍋物となります。

つまり「ざっぱ汁」とは、美味いところを全部集めたもので、気取った言い方をすれば「資源の有効利用料理」 つまりリサイクル料理といえないこともありません。

基本的には冬の鍋物ですが、 世界中の魚を食べられるようになっている今、特別、季節にこだわる必要はないのかもしれません。

まずは魚ですが、白身魚となります。

その代表といえるのがキンキン(キンキ、吉次)です。 脂が乗っ て非常に美味しい。焼き魚にすると最高です。

味は鯛以上と思っていますが、お値段の方も、鯛以上です。 鯛の「ざっぱ汁」か・・・、養殖ものだと、一匹1500円ぐらいで手に入るから、刺身を取った残りで、 と言う手もあるな。今度やってみるかな・・。

赤魚なんかで代用してもいいかもしれません。
ただし、赤魚の冷凍物となると頭や内臓を取っていますから、 正統派の「ざっぱ汁」とは言えないのかも・・・・。

あとは、タラですね。こうなると「ざっぱ汁」=「じゃっぱ汁」という図式です。魚の種類を選びませんから、アイナメや鮭なんかもいいですね。

調理法

ナベにタップリのお湯を入れ沸騰させ、 そこへ、ぶつ切りにした魚を入れ、一煮立ちさせ味噌を溶きます。 大根、豆腐、糸こんにゃくなどを入れ、もう一煮立ち。 最後に斜め切りした葱をナベ一杯になるぐらい入れて火を止めます。

簡単、早い、なおかつ、うまい、安いと何拍子もそろった究極の鍋物です。 骨や目玉をしゃぶり、頭にかぶりつきましょう。

魚を余さず食い尽くす。これぞ、「ざっぱ汁」の醍醐味です。



キンキ(吉次)
鯛に代わる祝い魚として古くから珍重されてきた魚です。キンキの煮付け・一夜干し・唐揚げ・鍋料理また粕漬け・味噌漬に加工でも美味しい